特別展「大原美術館所蔵 名画への旅 ― 虎次郎の夢」展示感想

単身でヨーロッパに出向き、絵画や彫刻を買い付けた洋画家、児島虎次郎。
そして彼の資金援助をした倉敷紡績株式会社二代目社長、大原孫三郎。

「日本の人々に本物を見せたい」という二人の強い思いから設立に繋がった大原美術館。
その創立100周年に向けての改修工事に伴う休館により、今回その美術館が所蔵する名品が大阪で見られる特別展が開催された。

特別展「大原美術館所蔵 名画への旅 ― 虎次郎の夢」
その感想をここに書いていこうと思う。

イベント名:特別展「大原美術館所蔵 名画への旅 ― 虎次郎の夢」
 
会場は大阪の、中之島フェスティバルタワー・ウエスト4Fにある、中之島香雪美術館

開催期間は2026年1月3日〜3月29日
開館時間は10〜17時ただし入館は16時30分まで
休館日は月曜日だが、祝日の場合は火曜日に振り替えるので注意が必要だ。

さらに3日14日〜3月29日は、こども無料DAYとして、小学生から高校生の入館料が無料(ただし保護者は有料)らしい。
この日はお喋りも泣くのもOKなので、美術館の鑑賞に慣れていない、子供連れの家族にお勧めだ。
一方、静かに鑑賞したいと考えている人は、この日は避けた方がいいかもしれない。
 
 私が来館したのは日曜日の午前で、開館してあまり時間が経っていない頃に入ったので、人は少なかった。
こういった特別展では夫婦や親子連れも多く見かけるが、今回は1人で鑑賞している人が多い印象があり、熱心に鑑賞している学生らしき若い人も何人か見られた。
一つの作品に2人くらい、人気の作品でも5人も留まっていなかったので、中々前が進まないというストレスは無く、好きな作品の前ではたっぷり時間を掛けて鑑賞する事ができた。

今回の展示は、ピカソ作の「骸骨のある静物」以外は、スマートフォンのみ撮影可能である。
特定のハッシュタグを付けるか、所蔵先を明記すればSNS投稿も可能らしい。

中の順路は途中で道をクロスして回らないといけないので、次にどちらへ行けばいいか少し戸惑ったが、要所要所にスタッフの人が控えていて、その都度案内をしてくれたので、迷う心配もなかった。
ゆっくり時間をかけて周り、鑑賞時間は約1時間20分程かかった。

エル・グレコ作「受胎告知」 大原美術館所蔵

今回の展示のパンフレットにも使われている、私が一番見たかった作品。
 
受胎告知とは、新約聖書のエピソードの一つで、天使ガブリエルが後のイエス・キリストをマリアが身籠った事を伝え、マリアがそれを受け入れたシーンの事で、これを題材にした作品は多く作られている。
この題材の有名な作品は多く残っているが、私はこのタイトルを聞くと、まずこの作品を思い浮かべる。
 
私が目を引いたのは、右側にいるガブリエルの衣装の布と、二人の肌の表現。
 
空から舞い降りた所を描いている為か、ガブリエルが纏う黄色い衣は、大胆に捲り上がっている。
その布の皺の描き方が見事だった。
肌は分かりやすい境界線が無いと感じる程に、グラデーションで影を表現されていて、触ってみればとても柔らかそうに感じた。

エドヴァルト・ムンク作「マドンナ」 大原美術館所蔵

「叫び」で有名なムンクの作品。
題名のマドンナは聖母マリアの事らしい。
 
沢山ある絵画でもマリアは服を着ているイメージが強いので、版画で表現されているこの作品は、マリアを半裸で表現しており、とても珍しいという印象を受けた。
彼女の胴体と表情に注目を集める為か、胴体の白に対して背景は暗く、腕らしきものはかなり見えづらく表現されている。

ポール・シニャック作「オーヴェルシーの運河」 大原美術館所蔵

新印象派に属すると言われているシニャックの作品。
私にとっては作品名も作者の名前も知らず、展示されている事も知らなかった、完全にノーマークだった作品だ。
 
まず目に留まったのは、全体的に淡い色。
パステル調の淡い水色が多く使われていて、とても爽やかさを感じる作品だ。
絵は魚の鱗みたいな、全て親指の爪くらいの大きさの点で描かれていて、まるでモザイクアートの様だった。

近くで見てみると、乾いた絵の具の盛り上がりや、筆の毛の跡がよく見えて、一回一回たっぷりと絵の具を乗せている事が分かる。

絵画を見終わって展示スペースから出ようとすると、茶室「中之島玄庵」という常設展示のスペースがある。

以前他の展示でここを訪れた時にも、ここを鑑賞してから会場を後にした記憶がある。
部屋の中を見られるようになっていて、今回も畳の間を覗いこうとすると、そこには前に来た時には無かったものがあった。

部屋の真ん中に佇んでいたのは、ブロンズの彫刻作品。
 
「女性」だと分かる限界まで情報を削ぎ落とそうとしたのか、その横姿はとても細く、床の間の暖色の間接照明によって後ろから照らされ、茶室の真ん中に佇んでいる彼女は、どこか不気味でとても異様な存在感を放っていた。

芸術作品への例えとしてはやや不適切かもしれないが、私は都市伝説のバックルームのゲームに出てくるエンティティや、和風ホラーゲームの怪異を連想してしまった。

この作品の正体はスイスの彫刻作家、アルベルト・ジャコメッティの「ヴェニスの女I大原美術館所蔵

この作品も今回の展示物の一つだ。
この作品が何故茶室の真ん中に展示される事になったのか、作品の横にあった解説文にその理由が書いてあった。

極度に余分な贅肉を削ぎ落とされ、痛々しく痩せ細った彫刻は、あるいは欲望や邪念を断ち切った仏教的なニュアンスに見えなくもない。ゆえに本展では、茶室「中之島玄庵」畳の間に展示した

仏教に関しては完全に勉強不足なので、残念ながら私にはこの作品と「仏教的」という言葉を繋げられなかった。
しかし順路の真ん中にただ置いてあるよりも、ずっとインパクトのある展示の仕方だったので、茶室の中にこの作品を展示したのは、私個人としては大正解だと感じた。

この展示を見ようと思ったきっかけ

この展示を見に行こうと思った理由は、自宅に置かれていた、母が持って帰って来たチラシ。

昔学生の時に使っていた美術の資料集に載っていた、エル・グレコの受胎告知の絵が目に飛び込んで来たからだ。
そのチラシを見た途端、いとも簡単にその絵の名前が自分の口から出てきて驚いた。
教科書で見ただけのこの絵の存在を、大人になった今でも自分が覚えていたからだ。

ピサロ、ドガ、セザンヌなど、名前は聞いた事はあっても、今まで作品を見た事が無い画家の作品を見れたのは、貴重な体験だった。
 

本日のお供

連日の寒波の影響により、この日も空気の乾燥が酷かった。

水分補給を意識していても、マスクをしていても、喉の乾燥がマシにならなかったので、近くのコンビニに駆け込んで金色パッケージの「龍角散ののどすっきり飴」を購入。
通常の青色パッケージの飴よりも龍角散のハーブパウダーが20%多く配合されていて、私が職場でもよく舐めている飴だ。
 
少し薬っぽくも感じる匂いと味だが、ハーブとマイルドなミルク味なので、慣れると美味しく舐められるのでおすすめだ。

商品はチャックがついていて保存がしやすい袋タイプと、ポケットにも入るコンパクトなスティックタイプがある。

袋タイプ

龍角散 龍角散ののどすっきり飴120max 袋 88G

価格:321円
(2026/2/9 21:56時点)
感想(6件)

スティックタイプ

龍角散ののどすっきり飴120max スティック 10粒

価格:164円
(2026/2/9 21:48時点)
感想(0件)

送信中です

×

※コメントは最大500文字、5回まで送信できます

送信中です送信しました!
error: Content is protected !!